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猫の夫婦は三日月の晩に どこかに出かけていきます。 行く先は誰にも告げず、 決まった時間に、 いつも変わらぬ服装で出かけるので、 近所の猫家族から「どこにいくの?」 と聞かれたりしても、 「ちょっとね」といってごまかします。
猫夫婦は集落から抜けると、 少し小高い山の方へ向かいます。 山の中腹に十帖ほどの平坦な草むらがあります。
今夜も草むらに三日月ウサギの姿を見つけました。 満月ウサギになれなかった三日月ウサギたちです。 三日月ウサギは猫夫婦を見つけると、 ぴょんぴょん跳ねて寄ってきました。 耳と顔が黄色く光っているのに、 体が全く光っていません。
猫夫婦はそれぞれウサギを抱き上げ、 包みこむように 体を温めてあげました。 すると、 みるみるウサギの身体全体が黄色くなり、 美しく輝きました。
ウサギは「猫夫婦さんありがとう、 やっと満月うさぎになれました」 そういうと、月に向かって帰っていきました。 「よかったね」猫夫婦はいつまでも 夜空をみあげていました。
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